この記事の結論まとめ
- リフォーム減税とは?:国が指定する「性能を高める工事」を行った際、その年の所得税から一定額が直接差し引かれる(税額控除)などの優遇制度。
- 対象となる主なリフォーム:耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修(窓・断熱など)、三世代同居対応、長期優良住宅化リフォームなど。
- もう一つの減税:所得税だけでなく、工事の内容によっては翌年分の「固定資産税」が軽減(3分の1〜全額免除など)される制度も合わせて利用できる。
- 補助金と併用できる?:併用可能。ただし、国や自治体から受け取った補助金の額は、減税を計算するベース(工事費用)から差し引く必要がある。
リフォーム減税とは?補助金との違いと基本のしくみ
補助金は「お金がもらえる」、減税は「税金が安くなる」
リフォームの支援策を調べる時に混同しがちなのが「補助金」と「減税」です。
- 補助金:工事にかかった費用の一部が、後から現金などで口座に振り込まれる仕組み(例:先進的窓リノベ事業など)
- リフォーム減税:自分が支払うべき「所得税」や「固定資産税」を直接引き算して安くしてもらう仕組み
これらは全く別の制度であるため、要件を満たしていれば「補助金をもらった上で、さらにリフォーム減税も使ってトリプルでお得にする」という使い方が可能です。
対象になる主な5つのリフォームと減税の方向性
どのような工事でも税金が安くなるわけではありません。国が推進している「家の基礎体力や安全性を高めるリフォーム」が対象となります。
| リフォームの種類 | 所得税の優遇 | 固定資産税の優遇 | 主な対象・ポイント |
|---|---|---|---|
| 耐震改修 | 税額控除あり | 翌年分を減額(1/2等) | 旧耐震基準の古い家を現行の基準に適合させる工事 |
| バリアフリー改修 | 税額控除あり | 翌年分を減額(1/3等) | 高齢者や要介護の方が同居するための手すり設置や段差解消 |
| 省エネ改修 | 税額控除あり | 翌年分を減額(1/3等) | 高断熱な窓(内窓)への交換、天井・壁の断熱材施工など |
| 同居対応改修 | 税額控除あり | なし(原則) | 三世代同居のためにキッチン・浴室・トイレ・玄関のいずれかを増設 |
| 長期優良住宅化 | 税額控除あり | あり(制度による) | 耐震や省エネの性能向上工事を行い、国の「長期優良」の認定を受ける |
注意点:控除額の上限や細かな要件、特例の適用期限は、毎年の税制改正で見直されることがあります。工事を行う前に必ず最新の案内をご確認ください。
使うときに絶対に外せない4つの注意点(失敗の罠)
リフォーム減税をフルに活用するためには、工事が始まる前から必要書類の段取りを組んでおく必要があります。
1. 翌年の「確定申告」での手続きが必須
リフォーム会社にお金を支払って工事が終わっただけでは、税金は1円も安くなりません。リフォームが完了した翌年の2月16日〜3月15日の確定申告の時期に、自分で税務署へ確定申告(または還付申告)を行うことで、初めて税金が手元に戻ってきます。会社員の方も年末調整では手続きができないため注意が必要です。
2. 工事内容を証明する「専門の証明書」が必要
税務署に「省エネリフォームをしました」と言葉で伝えるだけでは認められません。その工事が国の基準を確かに満たしていることを証明する「増改築等工事証明書」などの専用書類を添付する必要があります。この証明書は、建築士や指定確認検査機関、または国に登録されたリフォーム会社などに発行してもらう必要があるため、必ず工事を契約・着工する前に「リフォーム減税用の証明書を発行してほしい」と施工会社へ伝えておくことが鉄則です。
3. 「住宅ローン控除」との選択・関係を確認する
もし今回のリフォームを行うために10年以上のリフォームローン(住宅ローン)を組んでいる場合、このリフォーム減税(その年の所得税から一括で引く仕組み)を使うか、通常の「住宅ローン控除(年末のローン残高の0.7%を最大10〜13年間引く仕組み)」を使うか、どちらか一方を選択して有利な方を適用するケースがあります。ローンの金額や本人の所得によってどちらが得かが変わるため、シミュレーションが欠かせません。
4. 補助金との「重複引き算」ルールに注意
補助金と減税は併用できますが、所得税の控除額を計算する際、「実際にかかったリフォーム費用」から「国や自治体から受け取った補助金の総額」を引き算した金額をベースに計算しなければならないルールがあります。補助金分を引かずに二重で満額の減税を申告することはできません。
どの減税が最適?迷ったら専門家に相談を
どの減税制度が使えるか、住宅ローン控除とどちらが得になるかは、ご自身の「工事内容(どこを直すか)」や「年収(いくら所得税を納めているか)」によって一人ひとり答えが異なります。
自己判断で進めてしまい、工事後に「証明書が出せないと言われた」「順番を間違えて固定資産税の減税が受けられなかった」という失敗を防ぐために、リフォームの見積もりを取る初期の段階から、施工会社の担当者や税務署・税理士などの専門家に相談しながら計画を進めるのが最も安心です。
よくある質問
リフォームをするだけでも、本当に税金は安くなりますか?
はい、安くなります。国が指定する一定の基準を満たした「耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居対応」などのリフォームであれば、その年の所得税からまとまった額が控除されるほか、お住まいの市区町村へ申告することで、翌年分の建物の固定資産税が3分の1〜2分の1(耐震改修の場合は全額免除になるケースも)減額される優遇措置が用意されています。
国の補助金(先進的窓リノベなど)をもらっていても、この減税は両方使えますか?
はい、両方とも同時に使うことができます。ただし、所得税の減税を計算する際、リフォームにかかった総工費から「受け取った補助金の金額」を差し引いた、実質的な自己負担額を元にして控除額を計算するという決まりがあります。計算方法に注意して、確定申告を行いましょう。
減税を受けるための手続きには、何を用意すればいいですか?
工事を完了した翌年の確定申告期間に、税務署へ申告書を提出します。その際、最も重要になるのが施工会社(建築士)などに発行してもらう「増改築等工事証明書」です。そのほか、リフォーム前後の写真や領収書、工事請負契約書の写しなどが必要になります。固定資産税の軽減を受けたい場合は、工事完了から原則3か月以内にお住まいの市区町村の役所(資産税課など)へ別途申告書を提出する必要があります。
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